今回の出張旅行は、羽田空港の第1・第2ターミナルの出発ロビーから始まりました。
目的地は九州・福岡。東京のクライアントからの依頼で、福岡に新たに立ち上がる支店のIT環境構築を担うという、大切なミッションを抱えての出張です。
普段とは違う土地での作業は、ワクワクと少しの緊張が入り混じるもの。非日常の空気が漂う空港のロビーは、その高揚感を一層際立たせてくれました。
空港は平日にも関わらず多くの人で賑わっており、夏休み前の活気にあふれていました。これから福岡へ向けて、この飛行機に搭乗します。

羽田空港第一・第二ターミナルの出発ロビー/羽田空港の搭乗ゲート付近で出発を待つ
初日は移動日、2025年7月14日
2025年7月14日、時刻は12時16分。予定では12時35分発の福岡行きの便でしたが、10分ほど遅れての出発となりました。

羽田空港第一・第二ターミナルの出発ロビー
無事に福岡空港へ到着し、そこからは福岡市地下鉄に乗って市内へ向かいます。

地下鉄の福岡空港駅
福岡空港から地下鉄に乗り、天神 駅で下車しました。福岡市中央区に位置する天神駅は、九州最大級の繁華街への玄関口。初めて訪れる人にとっては、地下鉄改札を出た瞬間から少し戸惑うかもしれません。
駅直結の「天神地下街」は全長約590メートルにわたり、約150店舗が並ぶショッピングアーケードとして有名ですが、非常に広く複雑な構造をしているため、目的地に向かうのが難しい場合もあります。
実際、今回も改札を出たあと方向感覚を失ってしまい、やむを得ず一度地上に出て、Googleマップで現在地を確認することにしました。天神駅では、目的の出口番号を事前に調べておくのがスムーズに移動するコツです。
地上に出ると、目の前には大きな通りが広がっており、ようやく現在地と進行方向がつかめました。旅先でこうした"ちょっとした迷子"を経験するのも、出張の醍醐味のひとつかもしれません。

天神駅の地下街
地上に出ると、目の前には大きな通りが広がっており、ここからはそれほど迷わずに移動できそうです。まずはこの日の宿泊先であるホテルに向かって歩き始めました。

天神駅の地上
福岡の7月中旬は非常に暑く、この日もまさしく真夏の快晴で強い日差しが照りつける中、汗ばみながらの移動となりました。

天神駅の地上・渡辺通り
到着したのは「ホテルオリエンタルエクスプレス福岡天神」というホテルです。名前からもわかるように、海外からの観光客も多く利用していそうな印象を受けました。
このホテルは地下鉄天神駅から徒歩数分という好立地にあり、ビジネス・観光どちらにも便利なエリアに位置しています。1階にはカフェスペースが併設されており、ちょっとした打ち合わせやPC作業にも活用できそうです。

ホテルオリエンタルエクスプレス福岡天神
チェックイン時のフロント対応も丁寧で、スムーズに手続きを済ませることができました。客室はシンプルながらも清潔ですが、今回、わたしがチョイスした一番狭いシングルルームだとノートパソコンを広げて作業するには厳しいかもしれません。出張時にはホテルでの“作業しやすさ”がやはり重要ですね。
そんなことを想いつつ、スーツケースやノートパソコンなどの荷物を部屋に置いてから、外出する準備を整えました。

ホテルオリエンタルエクスプレス福岡天神の一室
まずは近くの温泉に立ち寄って、移動の疲れを癒すことにします。その前に軽く食事を取っておこうと近くにあった「吉野家」で牛タン定食をいただきました。出張中は手早く済ませられるこうしたお店が頼りになります。

ミーナ天神の吉野家
食事を終えてから温泉に向かう際、タクシーやバスの利用も考えましたが、結局徒歩で行くことにしました。実は、出張時には意識的に“街の空気を肌で感じる時間”を取りたくなることがあります。
この日も例外ではなく、地図で確認したところ約20分ほどの道のりだったため、そのまま歩いて向かうことにしました。通り沿いにはオフィスビルと倉庫が入り混じり、徐々に“港町の雰囲気”が濃くなっていくのが印象的でした。

那の津 通り・那の津大橋
すでに汗だくの状態でしたが、遠くに見えている「博多ポートタワー」を目印にしながら、那の津 通りを直進。途中、日陰を求めて歩道橋の下で一息つく場面もありました。
目的の温泉は、博多ポートタワーの手前に位置しています。建物が見えてくると、ほっとした気持ちが込み上げてきます。知らない土地で地図片手に進むこの感じが、旅先の自由さを思い出させてくれました。

那の津 通り・那の津大橋
やがて目の前に博多ポートタワーが見えてきました。このあたりまで来ると周囲は「博多港」となり、潮の香りが強く漂ってきます。港町ならではの空気を感じながら、さらに進みます。

ベイサイド通り
ようやく目的地である「みなと温泉波葉 の湯」に到着しました。こちらは日帰り入浴施設で、しっかりと整った設備があり、安心して利用できる温泉でした。

みなと温泉波葉の湯
温泉でゆっくりと疲れを癒した後、外に出るとあたりはすっかり夜になっていました。ライトアップされた博多ポートタワーが美しく輝き、まるで絵画のような景色を見せてくれました。
あたりは静かで、港に吹く夜風が肌に心地よく感じられます。昼間の暑さが嘘のように引いて、まるで時間がゆっくりと流れているような感覚に包まれました。
ちなみに、博多ポートタワーは、福岡市博多区のベイエリアに位置する展望塔で、高さは100メートルを誇ります。昭和39年(1964年)に開業して以来、博多港のランドマークとして親しまれてきました。
塔の上部には無料で入場できる展望室があり、博多湾や福岡市街、天気が良ければ遠く志賀島や能古島まで見渡すことができます。展望室の営業時間は通常10:00〜22:00(最終入場21:30)で、夕暮れ時や夜間に訪れると、港の夜景が一望できる絶好のタイミングです。
また、博多ポートタワーの周辺には博多港ベイサイドエリアとして「ベイサイドプレイス博多」や今回訪れた「みなと温泉 波葉の湯」などの施設があり、地元の人々や観光客が港町ならではの風景と過ごし方を楽しんでいます。
次回訪れる際は、ぜひ展望室にも足を運んでみたいと思いました。こうした“観光未満の寄り道”が、出張中のひとときを豊かにしてくれます。

博多ポートタワー
行きは徒歩で向かいましたが、帰りはさすがに疲れが出ていたため、バスを利用することにしました。ちょうどよいタイミングでバスが到着し、無事に乗車できました。最近のバスは安全対策もしっかりしており、手すりの位置なども工夫されていて安心感があります。

博多ふ頭から天神ソラリアステージ前行きのバスの車内
そんな感じで、2025年7月14日、福岡出張初日の一日が静かに幕を閉じました。
状況把握の2日目、2025年7月15日
出張旅行2日目の朝は、ホテルの朝食ビュッフェからスタートしました。朝食を付けるかどうか直前まで悩んだのですが、出張中はしっかりとした食事が取りづらいことが多いため、朝だけでも、ちゃんと食事をして栄養を確保しようと朝食ビュッフェを付けることにしました。

「ホテルオリエンタルエクスプレス福岡天神」の朝食ビュッフェ
徒歩でクライアントの福岡支店へ到着。
この日は、事前に手配されていた福岡市内の新しいオフィスにて業務を開始しました。まだ引っ越し後間もない様子で、オフィス内にはパソコンやモニター、複合機などの機器が梱包されたままの状態でした。まずは現場の状況を把握し、機材の開梱と設置作業から始めます。

クライアントの福岡オフィス(11階)からの眺望
このような初期対応では、限られた時間内でどの作業を優先するかが非常に重要です。今回は、電源系統とネットワーク系統の配線位置を事前に把握しておいたことで、スムーズに作業を進めることができました。
複合機がすでに搬入されていたため、パソコンと接続しようと試みましたが、残念ながらこの時点ではインターネット回線の工事がまだ完了していませんでした。本日は光回線の工事日ということで、工事業者との立ち会いも重要な業務のひとつとなります。
回線工事では、ビル設備や管理会社との連携も求められるため、事前の調整と当日の柔軟な対応力が鍵となります。今回は現場での即判断が求められる場面も多く、技術者としての対応力が試された一日でした。
こうした“現場対応型のIT業務”は、事務所の立ち上げ段階ならではの面白さがあります。一方で、普段のデスクワークとは異なる体力勝負の一面もあり、頭と身体の両方を使う感覚です。

クライアントの福岡オフィス
作業を終えた夕方には、関係者の方々に夕食会へとご招待いただきました。会場は天神にある「酔灯屋 天神店 (すいとうや)」という和食のお店です。天神は福岡市の中心部に位置する繁華街で、ショッピングからグルメまで幅広く楽しめる地域として知られています。
このお店は、落ち着いた和の内装と個室が充実しており、接待や会食の場としてもよく利用されているようです。旬の魚介を使った料理が豊富で、地元の食文化を感じられるメニュー構成が魅力でした。

酔灯屋 天神店 (すいとうや)
この日のメインは、福岡名物のイカ料理でした。夏の福岡では新鮮なイカが名物となっており、この日も目の前でまだ動いている透明なイカが提供され、その鮮度に驚かされました。久しぶりにこうした“生きている海の幸”をいただく機会を得て、改めて自然の恵みに感謝したひとときでした。

酔灯屋 天神店 (すいとうや)・新鮮な烏賊
夕食後はタクシーで中洲川端へと移動し、引き続き懇親の場へ。同地は博多の夜を象徴する歓楽街として有名で、川沿いの屋台や多彩な飲食店が立ち並び、夜遅くまでにぎわいを見せています。
仕事を終えた後のリラックスした空気感と、地元の方々のエネルギーが混じり合うこの街は、どこか懐かしくも新鮮な感覚を覚えました。平日にもかかわらず多くの人であふれており、その活気に圧倒されるほどでした。

中洲川端
このように、2日目は仕事と交流の両方がぎっしり詰まった一日となりました。普段なかなか味わえない地元の料理と、福岡の街の熱気に触れることができ、大変充実した時間を過ごすことができました。
普段の業務とはまったく異なる“福岡の夜”を垣間見ることで、ほんのわずかな時間でも、土地に対する理解が一段と深まったように感じます。
2日分の仕事を片付けた3日目、2025年7月16日
3日目となる7月16日(水)は、クライアントの企業が定休日ということで、クライアント先での作業予定はなく、他の仕事を進めるための1日となりました。昨日同様に朝はホテルの朝食ビュッフェから始まります。しっかりと朝食を取って、エネルギーを蓄えてからのスタートです。
朝食は、いつも最初に大きめのお皿にサラダをしっかり盛り付けて、新鮮なお野菜から摂取していきます。

「ホテルオリエンタルエクスプレス福岡天神」の朝食ビュッフェ
この日は朝から強い日差しが照りつけており、外を歩くのも一苦労。カンカン照りの中を歩きながら、涼しく落ち着いた作業場所を求めて移動を開始しました。

天神駅南口周辺
だいたい、こういう時に選ぶのがネットカフェですが、ベストは〝快活CLUB〟。
〝天神〟ほどの都市になると、まず〝快活CLUB〟はあると踏んでいて、さほど苦労せずに「快活CLUB 福岡天神南口店」を発見!
〝快活CLUB〟は、全国展開しているインターネットカフェチェーンで、ブースタイプの個室に加え、Wi-Fiや電源、ドリンクバーも完備されており、出張者にとってはお勧めの優良スポットです。
個室では適度な静けさが保たれており、周囲に気を遣わずに資料整理やパソコン作業ができるのが大きな魅力。ただ、この「快活CLUB 福岡天神南口店」はドリンクバーのドリンクをブースに持ち込むことが出来ないとのことで、ここは注意が必要なポイントですね。

快活CLUB 福岡天神南口店
業務に集中していて、気づくと昼も過ぎてお腹が空いてきたため、場所を変えて「ジョイフル福岡警固 公園前店」へ移動しました。ジョイフルは九州を中心に展開しているファミリーレストランで、リーズナブルな価格と落ち着いた雰囲気が特徴です。
この日はちょうど空いていたカウンター席に案内され、食事を取りながら引き続き作業・・・と思いきや、ノートPCのバッテリーがあと僅か。わたしの席には電源の供給ラインが無く、しばしスマートフォンを眺めることに。

ジョイフル福岡警固 公園前店
平日の午後のファミレスは非常に静かで、作業にも集中できる理想的な環境なだけにもったいない時間の使い方をしてしまったと反省しつつ。気づいたら1時間半が経っていました。

ジョイフル福岡警固 公園前店
16時前になり、ホテルのチェックイン可能な時間を過ぎたところで、再び荷物をまとめて移動を開始。この日は別のホテルに宿泊することになっており、選んだのは「ベストウエスタンプラス福岡天神南」です。このホテルは福岡市中央区の春吉 町というエリアにあり、周辺にはビジネスホテルが多く立ち並んでいます。いわゆる“ホテル密集エリア”で、出張や観光の拠点として便利な場所です。

ベストウエスタンプラス福岡天神南
ホテルにチェックインしたあとは、部屋で終日作業に集中することにしました。外出予定もなく、静かな空間でしっかりと業務をこなすことができました。
こうして、出張3日目はクライアントとの対面業務はなかったものの、普段後回しになりがちなタスクを丁寧に片付けることができた、意義ある1日となりました。
まとめ
3日目までは、福岡市内での業務対応を中心に、環境整備や関係者との交流、他の仕事の作業時間などをバランスよく組み立てることができました。あらためて、出張の中でどれだけ柔軟に時間と場所を使えるかが成果にも直結するのだと感じさせられます。
初日は羽田から福岡空港へ移動し、地下鉄で市内中心部の天神駅に到着。福岡市の中心に位置する天神は、ショッピングやグルメスポットが集まる繁華街で、地下街も非常に広く、初めて訪れると迷ってしまいそうなほどです。この日はホテルにチェックイン後、徒歩で「みなと温泉 波葉の湯」へ。汗をかきながらも港沿いの風景に癒され、旅の疲れをゆっくりと癒しました。
2日目はオフィスのセットアップ作業。まだ搬入されたばかりの状態からの立ち上げだったため、ネットワーク構築や機器設置などの初期対応に追われました。夜は地元の方に誘われて会食へ。福岡名物の透き通ったイカをいただき、夜は中洲川端のにぎわいを体感しました。
3日目はクライアント先の定休日だったため、自分の作業に集中する日としました。快活CLUBやジョイフルといった施設を活用し、エアコンの効いた空間でじっくりとタスク処理。夕方には別のホテルに移動し、静かに1日を終えました。
今回の出張を通して感じたのは、「準備と柔軟性」の大切さです。現地で想定外のことが起きても、時間や場所の使い方を工夫することで、自分なりのリズムを保つことができました。
そして何より、福岡という街のもつ包容力と懐の深さに触れることができたのが、大きな収穫だったように思います。仕事の中に、土地の空気を感じる余白があるだけで、こんなにも心が潤うのかと実感しました。
出張の合間にふと足を止めて眺めた港や街並み、静かな作業時間やにぎやかな夜のひととき——それら一つひとつが、日々の業務を少しだけ軽やかにしてくれたように思います。
そして、都市としての福岡の魅力にも触れることができた前半戦。仕事の合間に出会った街の風景や人々の活気、食文化とのふれあいが、業務だけでは得られない豊かな経験を与えてくれました。
ここからは、いよいよ出張後半へと入っていきます。残りの3日間では、さらに踏み込んだ実務対応や社内トレーニング、加えて地元の文化に触れる機会も待っていました。
4日目以降の記録については、次の記事にて詳しくご紹介していきます。